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高嶺軍配(タカネグンバイ)はアブラナ科グンバイナズナ属の多年草である。
北海道固有種で、山地や高山の砂礫地に稀に生える。
蛇紋岩地や石灰岩地に生えることが多い。
環境省のレッドデータリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
草丈は10センチから20センチくらいである。
茎は普通は枝分かれをする。
根際から生える葉は楕円形で、長い柄がある。
茎につく葉は卵形で、つけ根の部分は茎を抱く。
開花時期は5月から7月である。
茎先に短い総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をまとまってつける。
花弁は4枚で、倒卵形である。
実のなるころには花茎は更に伸び、長い倒卵形の実をつける。
その様子をかつて武将が用いた軍配に譬えたのが名の由来である。
写真は5月に北大植物園で撮った。
学名:Thlaspi japonicum
★見たくとも滅多に見られぬ花だから
注ぐ視線もつい熱くなり
今日の花ドットコム
花図鑑
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白花延齢草(シロバナエンレイソウ)はユリ科エンレイソウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の林の中や湿った草原などに生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、サハリンなどにも分布する。
別名を深山延齢草(ミヤマエンレイソウ)という。
草丈は20センチから40センチくらいである。
葉は茎先に3枚が輪生する。
葉の形は幅の広い卵形で、長さは7センチから20センチくらいある。
開花時期は5月から6月である。
直立する1本の花柄の先に花径5センチから7センチくらいの白い花を横向きにつける。
外側の緑色の萼(外花被片)も内側の白い花びら(内花被片)も3枚である。
萼と花びらは同じくらいの長さである。
また、どちらも先が尖るなどの特徴がある。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
咲き進むと花の色は紅紫色を帯びる。
大花の延齢草(オオバナノエンレイソウ)と似ているが、こちらは萼よりも花びらが長い。
写真は4月に神代植物公園で撮った。
学名:Trillium tschonoskii
★ふと見ればたった一輪横向きに
咲く白花にあっと声上げ
今日の花ドットコム
花図鑑
大甘菜(オオアマナ)はユリ科オオアマナ属の球根植物である。
原産地はヨーロッパである。
日本へは明治時代の末期に渡来した。
観賞用に栽培されているものが逸出して野生化している。
草丈は20センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は4月から5月である。
茎先に花径3センチくらいの白い6弁花を穂状につける。
花は日が射すと開き、陰ると閉じる。
英名はスターオブベツレヘム(star of Bethlehem)である。
キリスト生誕を知らせたベツレヘムの星にたとえられた名前である。
和名は甘菜(アマナ)に花が似ていることからつけられたものである。
ただし、大甘菜(オオアマナ)は有毒なので食べられない。
属名のオーニソガルム(Ornithogalum)の名も使われている。
写真は5月に小石川植物園で撮った。
学名:Ornithogalum umbellatum
★蟻さんとひそひそ話す大甘菜
内緒話に耳をそばだて
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花図鑑
鷺苔(サギゴケ)はゴマノハグサ科サギゴケ属の多年草である。
本州から九州にかけて分布し、湿った草地や田の畦道などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は10センチから15センチくらいである。
茎は匍匐して横に広がる。
葉は楕円形である。
茎につく葉は数枚で、互い違いに生える(互生)。
這う茎につく葉は、向かい合って生える(対生)。
葉の縁には不揃いで粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4月から6月である。
花茎の先に長さ15ミリから20ミリくらいの白い唇形の花をつける。
上の唇は浅く2つに裂け、下の唇は深く3つに裂けている。
下の唇が大きく下に伸びている。
下の唇の真ん中には黄色い斑が入り、毛が生えている。
雄しべは4本である。
名の由来は、花の形を「鷺草」と関連づけたものだという。
「苔」の名は地を這うところからきたものである。
花の色は白色のものと紫色のものがあるが、紫色のものは紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)と呼んで区別することもある。
この紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)は牧野富太郎博士の命名だそうである。
紫のものと白花を区別せずに鷺苔(サギゴケ)とする見解もある。
写真は4月に市川市万葉植物園で撮った。
学名:Mazus miquelii form. albiflorus
★空翔ける夢を抱いて生まれしや
鷺苔の花地伝い伸びて
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花図鑑
笹葉銀蘭(ササバギンラン)はラン科キンラン属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地や丘陵の林の中に生える。
銀蘭(ギンラン)と似るが、本種のほうが草丈が高く、苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)が花序よりも高くなることなどで区別する。
草丈は20センチから50センチくらいである。
茎は淡い緑色で直立する。
葉の裏面や縁、茎の稜上には毛が生える。
葉は細長い楕円形で、6枚から8枚が互い違いに生える(互生)。
葉の質は硬くて先が尖り、縦の葉脈が目立つ。
開花時期は5月から6月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、長さ1センチくらいの白い花を2輪から10輪くらいつける。
花は平開はせず、唇弁のつけ根の部分は筒状の距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)となる。
写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Cephalanthera longibracteata
★この姿ランの仲間に違いない
心躍らせ花を見詰めて
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花図鑑
銀蘭(ギンラン)はラン科キンラン属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、低山の草地や林の中などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は15センチから30センチくらいである。
葉は長い楕円形で、3枚から6枚くらいが互い違いに生える(互生)。
開花時期は4月から5月くらいである。
茎先に花径5ミリから7ミリくらいの白い小さな花を数輪つける。
花は3枚ずつの白い萼片と白い花弁からなる。
花は全開はせずに半開きのまま終わる。
唇弁は3つに裂け、真ん中の裂片は広い楕円形で短く尖っている。
唇弁のつけ根の部分は1~2ミリの短い距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)となる。
側花弁は幅の広い披針形で、萼片より短い。
写真は5月に埼玉県春日部市で撮った。
学名:Cephalanthera erecta
★暗がりに小さな花を半開き
上手く撮ってとねだられるけど
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花図鑑
土佐下野(トサシモツケ)はバラ科シモツケ属の落葉低木である。
四国の高知県と徳島県の固有種である。
高知県の四万十川流域と徳島県の那賀川、勝浦川流域にのみ分布し、河岸の岩の上に生える。
四国の中でも西部と東部とに隔離分布しているわけである。
樹高は1、2メートルである。
樹形は株立ち状になる。
葉は倒披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には上部にぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5月である。
枝先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)
を出し、白い小さな花をたくさん咲かせる。
花の感じは小手毬(コデマリ)に似ているが、枝は垂れ下がらずに立ち上がる。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Spiraea tosaensis
★四万十の流れの縁に咲くという
土佐下野の花は優しく
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花図鑑
稚児百合(チゴユリ)はユリ科チゴユリ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地や丘陵地の林の中に生える。
海外では、中国、朝鮮半島、サハリンなどにも分布する。
草丈は15センチから30センチくらいである。
茎は枝分かれをしない。
葉は長さが4から7センチ、幅が2、3センチの披針形で、互い違いに生える(互生)。
形は笹の葉に似ている。
開花時期は4月から5月である。
茎の先に漏斗状の白い小さな花を1、2輪斜め下向きにつける。
花被片は6枚である。
花被片の長さは10ミリから15ミリくらいである。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
実は熟すと黒くなる。
小さな百合の花なのでこの名前がついた。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Disporum smilacinum
★探してね林の中の木の下を
稚児百合が咲く俯きながら
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花図鑑
白雪芥子(シラユキゲシ)はケシ科シラユキゲシ属(エオメコン属)の多年草である。
原産地は中国である。
四川省、湖北省などに分布し、山地の林の中などに生える。
なお、シラユキゲシ属は白雪芥子(シラユキゲシ)1種のみからなる。
草丈は20センチから40センチくらいである。
根際から生える葉は先が尖った円状腎形で、濃い緑色をしている。
葉には長い柄があり、縁は波打っている。
開花時期は4月から5月である。
花茎を伸ばし、1つの茎に数個の白い花をつける。
花径は3センチくらいで、花びらは4枚である。
花の中央にはたくさんの雄しべと雌しべが1本ある。
雄しべも雌しべも色は黄色く、雌しべの柱頭は2つに裂ける。
根茎を干したものは生薬で黄水芋(おうすいう)といい、消炎、解毒などの薬効がある。
全草を干したものは生薬で黄水草(おうすいそう)といい、皮膚病の薬とされる。
英名はスノーポピー(snow poppy)である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Eomecon chionantha
★面白い形の花をつけて咲く
白雪芥子は個性に溢れ
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