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色別・月別の花図鑑です
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マダガスカルジャスミン


マダガスカルジャスミン(Madagascar jasmine)はガガイモ科シタキソウ属の常緑蔓性多年草である。
ジャスミンの名がつくがジャスミンの仲間とは異なる。
こうした命名法は英名ではよく見られるので注意が必要である。
原産地はマダガスカル島である。
蔓性で草丈は5メートルくらいまで伸びる。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は分厚く、艶がある。
開花時期は5~9月くらいである。
葉の脇から散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、白い筒状の花をつける。
花冠の先は5つに裂ける。
花にはジャスミンのような香りがある。
属名からきたステファノティスの名でも流通している。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Stephanotis floribunda


★爽やかな香り漂う白花に
 思わず知らず笑みの浮かんで



マダガスカルジャスミン


花図鑑
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レリア・プルプラタ


レリア・プルプラタはラン科レリア属の着生ランである。
レリア属はメキシコからブラジルにかけて50種ほどが分布し、樹木や岩肌にへばりついている。
カトレアに非常に近い近縁種で、属間交雑により園芸品種が生み出されている。
レリア・プルプラタはブラジルの低地に自生している。
開花時期は夏である。
花の色は白く、唇弁が紅紫色をしている。
花の色は個体による変化が大きいという。
なお、分類の仕方によってはソフロニティス属(Sophronitis)とされる場合もある。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Laelia purpurata


★品がよく色も艶やかプルプラタ
 ブラジルの地に花を開いて



レリア・プルプラタ


花図鑑
糊空木(ノリウツギ)


糊空木(ノリウツギ)はユキノシタ科アジサイ属の落葉低木である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地の林の縁や草地、岩礫地などに生える。
また、庭木ともされている。
海外では、中国やサハリンにも分布する。
樹高は3~5メートルくらいである。
アジサイの仲間としては大きい。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~8月である。
大きな円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出して白い両性花をたくさんつけ、周囲に数個の装飾花をつける。
両性花の花弁は5枚で、雄しべは10本である。
装飾花の萼片は花弁状となっている。
和名の由来は、樹液が和紙をすく際の糊に利用されたことと、枝の髄を抜くと空洞ができることからきている。
北海道ではサビタと呼ばれる。
アイヌの女性は髪を洗うのに使用したという。
この木の根は堅いので、「サビタのパイプ」の材料として利用される。
サビタの花は、原田康子の小説「挽歌」に登場し一世を風靡した。
俳句では「さびたの花」「花さびた」が夏の季語である。
写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Hydrangea paniculata


★古(いにしえ)のメノコが髪を洗いたる
 サビタの花の香る山裾



糊空木(ノリウツギ)


花図鑑
玉咲き下野草(タマザキシモツケソウ)


玉咲き下野草(タマザキシモツケソウ)はバラ科シモツケソウ属の多年草である。
シモツケソウ属の園芸品種である。
詳細は不明である。
草丈は80~100センチくらいである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5~7月である。
白い小さな花が球状に咲く。
花弁は5枚である。
写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Filipendula sp.


★玉咲きの花もいろいろあるんだね
 鞠を思わす優しい姿



玉咲き下野草(タマザキシモツケソウ)


花図鑑
赤升麻(アカショウマ)


赤升麻(アカショウマ)はユキノシタ科チダケサシ属の多年草である。
本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、山地の林の縁などに生える。
和名の由来は、根茎の皮が赤いことからきている。
草丈は40~80センチくらいである。
根際から生える葉は3回3出複葉である。
3出複葉は三つ葉のことで、枝分かれを繰り返した先に三つ葉をつけて1枚の葉となる。
小葉の形は細長い卵形である。
先は尾状に鋭く尖り、縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は5~7月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな5弁花をたくさんつける。
花序はあまり枝分かれをしないこと、下に垂れずに横に広がること、花弁と雄しべが同じくらいの長さであることなどが特徴である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Astilbe thunbergii


★掘り起こし根っこ調べてみたいけど
 それも叶わず隔靴掻痒



赤升麻(アカショウマ)


花図鑑
梔子(クチナシ)


梔子(クチナシ)はアカネ科クチナシ属の常緑低木である。
本州の静岡県から沖縄にかけて分布し、林の中や林の縁などに生える。
また、観賞用に栽植する。
海外では、東アジアに広く分布する。
樹高は1~3メートルくらいである。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の質は厚くて艶があり、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は6~7月である。
枝先に香りがよくて白い6弁花をつける。
花の色は咲き進むと黄色くなる。
園芸品種には八重咲きや大輪咲きなどのものもある。
実は古くから着色料とされ、クリキントンや沢庵漬けなどに利用されてきた。
また、漢方では乾燥果実を山梔子(さんしし)と呼び、消炎剤、利尿剤とする。
和名は、果実が熟しても口を開かない(「口無し」)というところからきている。
俳句では、「梔子」が秋の季語、「梔子の花」が夏の季語である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Gardenia jasminoides(=Gardenia augusta)


★梔子の花の白さが目に染みる
 短き命を滴に濡らし



梔子(クチナシ)


花図鑑
車葎(クルマムグラ)


車葎(クルマムグラ)はアカネ科ヤエムグラ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の林の中や草地、道端などに生える。
草丈は10~20センチくらいである。
茎は直立し、断面は四角形である。
茎には毛は生えていない。
葉は普通は6枚が輪生する。
葉の形は披針形で、先が尖る。
葉の縁には棘状の毛が生える。
開花時期は6~7月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径2~3ミリの白い小さな花をつける。
花冠は杯状に4つに深く裂ける。
雄しべは4本である。
雌しべは1本で、先が2つに裂ける。
「葎」というのは雑草の総称である。
写真は6月に信州の上高地で撮った。
学名:Galium triforiforme var. nipponicum


★目を凝らし車葎の花を見る
 咲いているかも見分けにくくて


車葎(クルマムグラ)


花図鑑
草橘(クサタチバナ)


草橘(クサタチバナ)はガガイモ科カモメヅル属の多年草である。
本州の関東地方から四国にかけて分布し、山地の木陰に生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は30~60センチくらいである。
葉は長さ5~15センチ、幅4~8センチの楕円形で柄があり、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、両面にまばらに毛がある。
開花時期は5~7月である。
茎先に出た数個の花柄に花径2センチくらいの白い花をたくさんつける。
花冠の先が深く5つに裂けて横に平に開く。
花びら(花冠の裂片)は長い楕円形をしている。
花の中央には小さな副花冠がある。
名の由来は、花がミカン科の橘(タチバナ)に似ていることからきている。
写真は5月に小石川植物園で撮った。
学名:Cynanchum ascyrifolium


★橘を思わすような白い花
 品よく咲かす草橘は



草橘(クサタチバナ)


花図鑑
ダイヤーズ・ウッドラフ


ダイヤーズ・ウッドラフ(Dyer's woodruff)はアカネ科クルマバソウ属の多年草である。
原産地はヨーロッパの北部から中央部である。
英名の「ダイヤーズ」は染物屋、「ウッドラフ」はクルマバソウを意味する。
和名は、赤染め葎(アカゾメムグラ)である。
名前の通り、根が染色材料とされる。
草丈は20~30センチくらいである。
茎は地を這って広がる。
葉は披針形で、2枚が向かい合って生える(対生)。
托葉(葉のつけ根にある付属体)が発達していて、輪生しているように見える。
開花時期は5~6月である。
茎先や葉の脇から集散花序(茎先に花がつき、少し下から横枝が出てその先にも花がつく)を出し、白い小さな花をつける。
花冠は4つに裂ける。
グランドカバーとされるほかポプリとしても利用される。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Asperula tinctoria


★染物に使える花をどうやって
 昔の人は見つけたのかな



ダイヤーズ・ウッドラフ


花図鑑
アレナリア・モンタナ


アレナリア・モンタナはナデシコ科アレナリア属の常緑多年草である。
夏の暑さには弱いので、園芸上は一年草扱いをする。
原産地はヨーロッパの南西部である。
ピレネー山脈などに分布し、明るい林の中などに生える。
草丈は10センチくらいである。
匍匐してマット状に広がる。
葉は披針形で、向かい合って生える(対生)。
葉には艶がある。
開花時期は5~7月である。
茎先に花径2センチくらいの白い5弁花をつける。
流通名を山雪草(ヤマユキソウ)という。
写真は4月に京都府立植物園で撮った。
学名:Arenaria montana


★ピレネーと聞けば心も躍りだす
 山雪草の降り積むごとく



アレナリア・モンタナ


花図鑑
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