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色別・月別の花図鑑です
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小手毬(コデマリ)


小手毬(コデマリ)はバラ科シモツケ属の落葉低木である。
原産地は中国の南東部である。
日本へは観賞用としてかなり古い時代に渡来したようである。
江戸時代初期の園芸書「花壇綱目」には既に掲載されている。
樹高は100~150センチくらいである。
葉の形は披針形ないし長い楕円形で柄があり、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~5月である。
一つ一つの花は花径1センチに満たない白い5弁花である。
これが15~20個集まって丸い花序をつくる。
枝先にこの毬状の花序がたわわに並ぶ様子から小手毬(コデマリ)と呼ばれるようになった。
別名を鈴懸け(スズカケ)とも言う。
これは枝に鈴をかけたようだという意味合いである。
俳句の季語では春である。
写真は5月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Spiraea cantoniensis


★枝先をポンと飛び出す小手毬は
 雲に弾んで君に弾んで



小手毬(コデマリ)


花図鑑
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大手毬(オオデマリ)


大手毬(オオデマリ) はスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木である。
手毬花(テマリバナ)の別名もある。
藪手毬(ヤブデマリ)の花がすべて装飾花になった園芸品種と言われている。
英名はジャパニーズ・スノーボール(Japanese snowball)である。
樹高は1~3メートルくらいである。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉には皺があり、先が尖っていて、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
長さは5~16センチくらいで、裏面に毛が疎らに生える。
開花時期は4~5月くらいである。
花径3~4センチの淡い緑色をした花がたくさん集まり、手毬のような丸い形の花序をつくる。
花の色はしだいに白に変化していく。
似たような名前の小手毬(コデマリ)という花もあるが、大手毬(オオデマリ)は小手毬(コデマリ)を大きくしたというよりは紫陽花(アジサイ)に似ている。
一つ一つの花は装飾花(中性花)なので繁殖機能がなく、実を結ばない。
俳句の季語は夏である。
写真は4月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Viburnum pricatum var. plicatum


★花寄せて弾む思いか大手毬
 たわわな枝に風吹きぬけて



大手毬(オオデマリ)


花図鑑
白薮華鬘(シロヤブケマン)


白薮華鬘(シロヤブケマン)はケシ科キケマン属の越年草である。
日本各地に分布し、低地の林の縁などに稀に生える。
薮華鬘(ヤブケマン)は紫華鬘(ムラサキケマン)の別名である。
紫華鬘(ムラサキケマン)の花が紫色なのに対し、本種は花全体が白く、花冠の先にだけ紫色の斑紋が残る。
草丈は20~50センチくらいである。
葉は2~3回3出複葉で、互い違いに生える(互生)。
小葉はさらに羽状に細かく裂ける。
開花時期は4~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、筒状の唇形をした花を横向きにたくさんつける。
花の後にできる実は長い楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
写真は4月に茨城県つくば市で撮った。
学名:Corydalis incisa form. pallescens


★めずらしい白薮華鬘の片鱗を
 とどめる花にほっとため息



白薮華鬘(シロヤブケマン)


花図鑑
白花通草(シロバナアケビ)


白花通草(シロバナアケビ)はアケビ科アケビ属の蔓性落葉低木である。
本種は通草(アケビ)の園芸品種である。
通草(アケビ)の花は淡い紫色だが、名前の通り白花を咲かせる。
観賞用として庭木にされたり、盆栽や鉢植えに利用される。
葉は小葉5枚からなる掌状複葉で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は楕円形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がない。
開花時期は4~6月である。
雌雄同株である。
葉の間から花序が垂れ下がる。
雌花は大きく雄花は小さい。
実は楕円形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、秋に紫色に熟して裂開する。
花の写真は4月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
雌花、雄花の順である。
学名:Akebia quinata cv. Leucantha


★すっきりと咲く白花に目を細め
 実りの秋の姿を思い



白花通草(シロバナアケビ)


花図鑑
匂い莢迷(ニオイガマズミ)


匂い莢迷(ニオイガマズミ)はスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木である。
「迷」の字は正しくはクサカンムリがつくのだが仮に用いた。
原産地はヨーロッパである。
樹高は2~4メートルくらいである。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~5月である。
葉の展開した後に花を咲かせる。
枝先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
花冠の筒部は短く、先で大きく5つに裂ける。
花はよい香りがする。
写真は4月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Viburnum farreri


★ふくよかな香りにつられ近づけば
 白が眩しい匂い莢迷


匂い莢迷(ニオイガマズミ)


花図鑑
常盤碇草(トキワイカリソウ)


常盤碇草(トキワイカリソウ)はメギ科イカリソウ属の多年草である。
漢字では「常盤錨草」とも書く。
本州の中部地方から中国地方にかけて日本海側に分布し、山地の林の中に生える。
草丈は30~40センチくらいである。
葉は2回3出複葉である。 
1本の柄が3本に分かれ、更にその先が3本に分かれて小葉がついている。
小葉は長い楕円形で、つけ根の部分は深い心形、先は細長く尖る。
葉の縁には刺状の毛が生える。
開花時期は4~5月である。
葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径4センチくらいの白ないし淡い紅紫色を下向きに数輪つける。
花弁は4枚、萼片は8枚である。
萼片のうち4枚は開花時には落ちる。
花には4本の長い距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。
距の中には蜜が入っていて、昆虫が頭を突っ込むことで受粉が確実に行われる仕組みになっている。
雄しべは4本、雌しべは1本である。
名の由来は、常緑で花の形が「船の碇」を連想させるというところからきている。
若葉は山菜とされる。
写真は4月に神代植物公園で撮った。
学名:Epimedium sempervirens


★のんびりと錨下ろして一休み
 春のうららは野越え山越え



常盤碇草(トキワイカリソウ)


花図鑑
白花紫蘭(シロバナシラン)


白花紫蘭(シロバナシラン)はラン科シラン属の多年草である。
別名を白蘭(ハクラン)ともいう。
紫蘭(シラン)の型の1つで、分布域は重なる。
本州の福島県から沖縄にかけて分布し、やや湿った岩の上や林の中に生える。
草丈は30~70センチくらいである。
葉は大形の披針形で、茎の下部に4~6枚が互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~6月である。
花は茎先に数輪ずつつく。
花被片は6枚である。
外側に外花被片が3枚、内側に内花被片が3枚が互い違いにつく。
下側にある内花被片は他の5枚と形が違い、唇弁と呼ばれる。
唇弁の先は浅く3つに裂け、そのうちの真ん中の裂片には内側に襞がある。
内花被片を花弁、外花被片を萼片とする場合もある。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Bletilla striata form. gebina


★透き通る白と緑の葉の色が
 よくマッチする白花紫蘭


白花紫蘭(シロバナシラン)


花図鑑
有明菫(アリアケスミレ)


有明菫(アリアケスミレ)はスミレ科スミレ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、道端や草地、荒れ地などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は5~15センチくらいである。
葉は細長いほこ形で、5~8センチくらいの長さがある。
葉の表面には光沢がある。
白菫(シロスミレ)と間違いやすいが、葉身が葉柄よりも長いことで区別できる。
開花時期は4~5月である。
立坪菫(タチツボスミレ)のような立ち上がる地上茎はなく、花は根元から出る。
花径は15~20ミリくらいである。
花の色には変異が多いが、白い花に紫色の筋がたくさん入るというものが多い。
淡い紫色がかったものもある。
なお、スミレ属は普通5弁花で左右対称形である。
上の1対のペアを「上弁」、下の1対のペアを「側弁」、下につく1枚を「唇弁」という。
有明菫(アリアケスミレ)の場合は、側弁の根元にたくさん毛が生えている。
唇弁の後ろに突き出ている部分は「距」という。
有明菫(アリアケスミレ)の距は太く短い。
写真は4月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Viola betonicifolia var. albescens


★有明の空の白さに譬えしか
 爽やかに咲く有明菫



有明菫(アリアケスミレ)


花図鑑
叡山菫(エイザンスミレ)


叡山菫(エイザンスミレ)はスミレ科スミレ属の多年草である。
北海道の南西部から九州にかけて分布し、低山の道端や林の中などに生える。
別名を蝦夷菫(エゾスミレ)という。
草丈は5~15センチくらいである。
地上茎はなく、根茎も短い。
葉は3つに深く裂け、その裂片がさらに細かく裂けている。
開花時期は4~5月である。
花の色には変化が多い。
普通は淡い紅色だが、白に近いものもある。
唇弁には紫色の筋が入り、距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)の先はやや膨らむ。
和名の由来は、比叡山で発見されたことからきている。
写真は4月に神代植物公園で撮った。
学名:Viola eizanensis


★裂けた葉で菫のイメージ変えて咲く
 叡山菫に不思議感じつ



叡山菫(エイザンスミレ)


花図鑑
花水木(ハナミズキ)


花水木(ハナミズキ)はミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木である。
原産地は北アメリカである。
日本へは、東京市長の尾崎行雄がワシントン市へ贈った桜の苗木の返礼として1915年に寄贈されたのが始まりである。
庭木や街路樹として植えられている。
和名の由来は、水木の仲間で花が目立つことからきている。
別名をアメリカ山法師(アメリカヤマボウシ)という。
これは、アメリカから渡来し日本の山法師(ヤマボウシ)に似ていることからつけられた名である。
樹高は5~12メートルくらいである。
樹皮は灰黒色である。
葉は楕円形で、枝先に集まって向かい合って生える(対生)。
葉の形はやや不規則で葉脈が目立ち、縁は波打つ。
開花時期は4~5月である。
桜が終わったころから咲き始め、5月の半ばまで咲いている。
4枚の白い花弁のように見えるのは総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)である。
花弁はその真ん中に集まってつく。
緑色の4弁花で目立たない。
雄しべは4本である。
花弁は早くに落ちる。
花の後にできる実は核果(水分が多く柔らかい果皮をもつ果実)で、秋に赤く熟する。
また、紅葉も美しい。
俳句の季語は夏である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Benthamidia florida


★十字花を天にかざせり花水木
 君が祈りは何処へ向けて
☆花水木咲く道行けば微笑まん
 君の祈りを花は教えて



花水木(ハナミズキ)


花図鑑
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