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那岐蘭(ナギラン)はラン科シュンラン属の多年草である。
本州の房総半島から沖縄にかけて分布し、山地の林の中に生える地生種である。
海外では、台湾や中国、東南アジア、インドなどにも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は10センチから20センチくらいである。
葉は披針形で大きく、1枚から3枚がつく。
葉の質は革質で艶がある。
葉の先は尖り、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄は細くて長い。
開花時期は6月から7月くらいである。
白くてわずかに淡い紫色を帯びる花を2輪から4輪くらい疎らにつける。
花弁の内側に紫褐色の斑が入る。
写真は9月につくば植物園で撮った。
学名:Cymbidium lancifolium
★盗掘に遭って次第に数減らす
那岐蘭の花鉢に納まり
今日の花ドットコム
花図鑑
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胡麻(ゴマ)はゴマ科ゴマ属の一年草である。
原産地は東アフリカだと言われる。
日本へは天平時代に中国から渡来した。
江戸時代までは高価な食用作物だったそうである。
高さは60~90センチくらいである。
全体に軟らかい毛が密生する。
茎は四角く直立する。
葉は長い楕円形をしている。
開花時期は6~9月である。
葉の脇に唇形をした白い花をつける。
花の色には紅色や紫色のものもある。
種子の色により、白色を白胡麻、黄色を金胡麻、黒色を黒胡麻と言う。
食用とし、またごま油を搾る。
俳句では「胡麻」が秋の季語、「胡麻の花」が夏の季語である。
写真は9月に富山県中央植物園で撮った。
学名. Sesamum indicum
★柔らかな毛にくるまれて幼子は
はにかみながら明日を夢見る
今日の花ドットコム
花図鑑
深山当帰(ミヤマトウキ)はセリ科シシウド属の多年草である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、高山や亜高山の岩場や礫地に生える。
分類上は、低地に生える当帰(トウキ)の高山型の変種とされている。
別名を南部当帰(ナンブトウキ)ともいう。
草丈は20センチから50センチくらいである。
全体に毛は生えていない。
茎や葉を切ったり揉んだりすると強い香りがする。
葉は1-3回3出複葉である。
基本種に比べると小葉の幅が広い。
葉の質は厚く、艶がある。
葉の縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)があり、柄のつけ根の部分は鞘となる。
開花時期は6月から8月である。
枝先に複数の組み合わさった散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
花径は3ミリくらいで、花弁は5枚である。
写真は8月に山形市植物園で撮った。
学名:Angelica acutiloba var. iwatensis
★東北の強い連携示すよう
名札を見れば南部当帰と
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花図鑑
一つ葉升麻(ヒトツバショウマ)はユキノシタ科チダケサシ属の多年草である。
本州の関東地方西南部に分布し、山地の沢沿いの岩場に生える。
フォッサマグナ要素の植物で、丹沢、箱根、愛鷹山などに分布域は限定される。
チダケサシ属の他の仲間と違って単葉であることが大きな特徴で、それが名の由来ともなっている。
また、同属の中では小型である。
草丈は10センチから30センチくらいである。
葉の長さは4センチから8センチくらいで、三角形に近い広い卵形をしている。
葉の先は3つに浅く裂け、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7月から8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い花を下向きにつける。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Astilbe simplicifolia
★瀬音聴き水辺に育つ一つ葉の
升麻の花は背を低くして
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花図鑑
当帰(トウキ)はセリ科シシウド属の多年草である。
別名を日本当帰(ニホントウキ)という。
本州の東北地方から中部地方にかけて分布し、山地に生える。
また、北海道や奈良で薬用として栽培される。
中国に産するものは同属の別種(Angelica sinensis)である
草丈は50センチから80センチくらいである。
茎は赤紫色を帯び、毛は生えていない。
葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互い違いに生える(互生)。
小葉は2つか3つに深く裂ける。
開花時期は7月から9月くらいである。
茎先に複散形花序を1個出し、花径5、6ミリの白い小さな花をたくさんつける。
散形花序というのは、茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序のことである。
複散形花序というのは、たくさん出た枝先に小さな散形花序がつくというように散形花序が組み合わさってできている。
複散形花序は、セリ科の多くに見られる特徴である。
全株に芳香がある。
根を乾燥させたものを生薬で当帰(とうき)と言い、婦人科疾患の薬とされる。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Angelica acutiloba
★パラソルを開いたように白い花
土の下には恵みを秘めて
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花図鑑
深山唐松(ミヤマカラマツ)はキンポウゲ科カラマツソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地や亜高山の林の中や林の縁に生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部、アムール地方にも分布する。
草丈は30センチから80センチくらいである。
根際から生える葉は2-3回3出複葉で、長い柄がある。
3出複葉は三つ葉のことで、2-3回枝分かれをさせてそれぞれの先に三つ葉をつけて1枚の葉となる。
小葉の形は長い楕円形で、縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。
近縁種の唐松草(カラマツソウ)も同様であるが、本種と異なり葉の柄のつけ根に大きな托葉(付属体)がある。
茎につく葉は2、3枚で、上部の葉は単葉となる。
開花時期は5月から8月である。
茎先に白ないし淡い紫色の花をつける。
花弁はなく、萼片も早くに落ちてしまう。
花弁のように見えるのは雄しべの花糸である。
花糸が急に太くなるのが本種の特徴である。
唐松草(カラマツソウ)の場合は太さがあまり変わらない。
写真は7月に尾瀬で撮った。
学名:Thalictrum filamentosum var. tenurum
★少しだけ雄しべの太さ変えて咲く
それがお洒落と深山唐松
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花図鑑
深山前胡(ミヤマゼンコ)はセリ科エゾノシシウド属の多年草である。
日本固有種である。
本州の関東地方から中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の草地や砂礫地に生える。
草丈は30センチから60センチくらいである。
茎は中空でやや太い。
葉は2-5回3出羽状複葉である。
小葉の形は卵形で、ぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄には葉鞘(茎を鞘状に包むような形になった葉のつけ根)があり、赤味を帯びるものもある。
開花時期は7月から8月である。
茎先に複数の散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、白い小さな5弁花を密につける。
「前胡」の名は漢名からきている。
写真は7月に中央アルプスの千畳敷カールで撮った。
学名:Coelopleurum multisectum
★どっしりと威厳をもって山に咲く
深山前胡の白き閃光
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花図鑑
高嶺唐打草(タカネトウウチソウ)はバラ科ワレモコウ属の多年草である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の草地や湿地、礫地に生える。
草丈は40センチから80センチくらいである。
根際から生える葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)である。
小葉の形は楕円形で、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
1枚の葉は小葉9枚から13枚で構成される。
葉の裏面は紛白色となる。
開花時期は7月から9月である。
茎先に長さ3センチから10センチくらいの穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を直立させ、白い小さな花をたくさんつける。
花は下から順に咲き上がる。
花には花弁はなく、緑白色の花弁のように見えるのは萼片で、4枚ある。
雄しべは4本あって先が太く、外に突き出る。
雌しべは1本である。
和名の由来は、花穂の形が中国の組み紐の「唐打」に似ていて高山に咲くことからきている。
別名を筆唐打草(フデトウウチソウ)ともいう。
写真は7月に仙台市野草園で撮った。
学名:Sanguisorba stipulata
★さり気なく咲いた姿は素朴だが
染み出るように味わい深く
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花図鑑
蝦夷大山繁縷(エゾオオヤマハコベ)はナデシコ科ハコベ属の多年草である。
北海道から東北地方の北部にかけてと長野県、岐阜県に分布し、平地や山地のやや湿った草地に生える。
海外では、朝鮮半島北部やサハリンにも分布する。
草丈は40センチから60センチくらいである。
茎や葉には毛が生えている。
茎の上部で、よく枝分かれをする。
葉は細長い卵形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は6月から9月くらいである。
茎先に花径2センチくらいの白い花を疎らにつける。
花弁は5枚で、それぞれ4つから5つに深く裂け、裂片の先も浅く裂ける。
雄しべは10本、雌しべは3本である。
写真は8月に軽井沢町植物園で撮った。
学名:Stellaria radians
★美しくギャザーのような花びらは
小さく咲いたカーネーションか
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