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色別・月別の花図鑑です
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岩銀杏(イワイチョウ)

岩銀杏(イワイチョウ)はミツガシワ科イワイチョウ属の多年草である。
1種1属である。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて日本海側に分布し、亜高山や高山の湿原などに生える。
海外では、北アメリカのアラスカからワシントン州にかけて分布する。
ただし、この両者を区別する説もある。
草丈は15センチから40センチくらいである。
根際から生える葉は腎円形でやや厚く、長い柄がある。
葉には艶があり、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
名の由来は、葉が秋に黄葉して銀杏(イチョウ)に似ていることからきている。
開花時期は7月から8月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径1、2センチくらいの白い小さな花をつける。
花冠は深く5つに裂け、裂片の中央に縦のひだ、縁に波状の皺がある。
雌しべが長く雄しべが短い株と、雌しべが短く雄しべが長い株がある。
写真は7月に八幡平で撮った。
学名:Nephrophyllidium crista-galli(=Fauria crista-galli)


★高山の水辺にそっと咲き初むる
 岩銀杏の白い花びら


岩銀杏(イワイチョウ)

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姫白浅沙(ヒメシロアサザ)

姫白浅沙(ヒメシロアサザ)はミツガシワ科アサザ属の浮葉性の多年草である。
漢字では「姫白阿佐佐」とも書く。
本州の関東地方から九州にかけて分布し、湖沼などに稀に生える。
海外では、朝鮮半島や中国、台湾にも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
枝分かれをしながら水中に茎を伸ばし、長さは1メートルから2メートルに達する。
丸い心臓形をした浮葉は艶があり、水面上では葉脈が目立つ。
葉は向かい合って生える(対生)が、茎の下部では互生(互い違いに生える)である。
開花時期は7月から10月である。
水の上に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、白い小花をつける。
花径は5ミリから8ミリと極めて小さい。
花びらの縁にだけ白い毛が生えるのが特徴である。
写真は9月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Nymphoides coreana


★虫眼鏡ほしくなるよな大きさの
 姫白浅沙ぽつぽつ咲いて


姫白浅沙(ヒメシロアサザ)

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犬沼虎の尾(イヌヌマトラノオ)

犬沼虎の尾(イヌヌマトラノオ)はサクラソウ科オカトラノオ属の多年草である。
本州の東北地方から中部地方にかけて分布し、湿地に生える。
湿地帯に生える沼虎の尾(ヌマトラノオ)と高原や山に生える岡虎の尾(オカトラノオ)との自然雑種である。
草丈は70センチから100センチくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。
開花時期は6月から8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花をたくさんつける。
合弁花で花冠は5つに深く裂ける。
雄しべは5本である。
花穂は岡虎の尾(オカトラノオ)は垂れ下がり、沼虎の尾(ヌマトラノオ)は直立するが、犬沼虎の尾(イヌヌマトラノオ)はその中間ということである。
写真は7月の箱根湿生花園で撮った。
学名:Lysimachia x pilophora


★虎ノ尾とわかりはするが腕組みだ
 微妙すぎるよ犬沼虎ノ尾は


犬沼虎の尾(イヌヌマトラノオ)

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細葉の四つ葉葎(ホソバノヨツバムグラ)

細葉の四つ葉葎(ホソバノヨツバムグラ)はアカネ科ヤエムグラ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、低地から亜高山にかけての湿地に生える。
草丈は20センチから40センチくらいである。
茎の断面は四角形で、角には下向きの棘が生える。
葉は細長い楕円形で、普通は4枚が輪生する。
葉の数は5、6枚の場合もある。
葉の先は丸く、縁にはわずかに棘が生える。
開花時期は6月から8月である。
茎先や葉の脇から集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径2ミリくらいの白い小さな花をつける。
花冠は普通3つに裂けるのが特徴である。
近縁種は4つに裂ける。
雄しべも普通は3本である。
写真は8月に奥日光の小田代原で撮った。
学名:Galium trifidum var. brevipedunculatum


★小さいがよく花びらを見てみると
 個性がわかる水草のよう


細葉の四つ葉葎(ホソバノヨツバムグラ)

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白根人参(シラネニンジン)

白根人参(シラネニンジン)はセリ科シラネニンジン属の多年草である。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の草地や礫地に生える。
海外では、中国、サハリン、カムチャツカ、シベリア、アリューシャン列島などにも分布する。
和名の由来は、日光白根山で発見され、葉がニンジンに似ることからきている。
別名を千島人参(チシマニンジン)ともいう。
草丈は5センチから40センチくらいである。
根際から生える葉は2回羽状複葉である。
小葉はさらに細かく裂ける。
茎につく葉は少ない。
葉の柄のつけ根の部分は赤みを帯び、鞘状となる。
開花時期は7月から8月である。
茎先に複散形花序を出し、花径2、3ミリの白い小さな花をたくさんつける。
散形花序というのは、茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序のことである。
複散形花序というのは、たくさん出た枝先に小さな散形花序がつくというように散形花序が組み合わさってできている。
複散形花序は、セリ科の多くに見られる特徴である。
写真は8月に福島県の安達太良山で撮った。
学名:Tilingia ajanensis


★安達太良の空は雨雲覆うとも
 礫地ものかは足元飾り


白根人参(シラネニンジン)

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大葉の四葉葎(オオバノヨツバムグラ)

大葉の四葉葎(オオバノヨツバムグラ)はアカネ科ヤエムグラ属の多年草である。
北海道から四国にかけて分布し、亜高山の林の中や草地などに生える。
草丈は15センチから40センチくらいである。
茎の断面は四角形である。
葉は楕円形で、4枚ずつ輪生する。
葉は長さが2センチから5センチくらいあり、3本の葉脈がよく目立つ。
葉には柄はなく、葉の縁と両面の脈上には硬い毛が生える。
開花時期は6月から8月である。
茎先や葉の脇から集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、花径3ミリくらいの黄白色の花を疎らにつける。
花冠は杯状で、先が4つに裂けて鋭く尖る。
雄しべは4本である。
花の後にできる実は球形で、長い鉤状の毛が生える。
「葎」は雑草の総称である。
和名は「4枚の大きな葉をつけた草」という意味になる。
写真は7月に尾瀬で撮った。
学名:Galium kamtschaticum var. acutifolium


★葉っぱから強い霊気が漂えば
 記憶の襞に深く刻まれ


大葉の四葉葎(オオバノヨツバムグラ)

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唐松草(カラマツソウ)

唐松草(カラマツソウ)はキンポウゲ科カラマツソウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の草原などに生える。
漢字では「落葉松草」とも書く。
草丈は50センチから120センチくらいである。
葉は3-4回3出複葉といって、3出複葉(1つの葉が3枚の小さな葉に分かれた形)の1枚1枚の小葉が更に3枚の小葉に分かれ、それをもう1-2回繰り返す。
開花時期は7月から9月である。
長い茎の先に、白く細い線形の小花をつける。
花弁はなく、萼片も早くに落下する。
花のように見えるのは雄しべの花糸である。
花糸は先が棍棒のように肥厚している。
この花の姿を唐松(カラマツ)の葉に見立てたのが名の由来である。
写真は7月に八幡平で撮った。
学名:Thalictrum aquilegifolium var. intermedium


★不思議なる唐松草の花姿
 じつと見つめつ自然を感じ


唐松草(カラマツソウ)

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イケマ

イケマはガガイモ科カモメヅル属のつる性多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の林の縁などに生える。
蔓性なので、他の植物などに絡みついて生長する。
なお、イケマの名はアイヌ語が語源で、「太い根」という意味をもつ。
根は太くて大きく、浅く枝分かれして肥大する。
茎は数本が束になって生え(束生)、切ると白い乳液が出る。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
先は尖り、つけ根は深い心形である。
縁にぎざぎざはない(全縁)。
開花時期は7月から8月である。
葉の脇から散形花序(茎先からたくさん花柄が出て、その先に1個つずつ花がつく)を出し、白い小さな花をつける。
白い花びらのように見えるのは副花冠で、深く5つに裂ける。
その外側にある淡い黄緑色の部分が花冠で、5つに裂けて反り返る。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
綿毛があって、風で運ばれる。
春の若芽は山菜として利用される。
根はアルカロイドを含み有毒だが、利尿、強精、強心などの薬効がある。
写真は9月に北大植物園で撮った。
学名:Cynanchum caudatum


★霊草と奉られるイケマには
 神の力の宿るや否や


イケマ

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白花岩鏡(シロバナイワカガミ)

白花岩鏡(シロバナイワカガミ)はイワウメ科イワカガミ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の岩場や草地などに生える。
分類上は、岩鏡(イワカガミ)の型の1つとされている。
基本種の花の色は淡い紅色だが、本種の場合は白い。
草丈は10センチから20センチくらいである。
葉には長い柄があり、根際から数枚が生える。
葉の形は卵円形で、先は丸いかややへこむ。
葉の質は革質で、表面には艶がある。
開花時期は4月から7月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、3輪から10輪の花を横向きにつける。
花の色は白い。
花径は10ミリから15ミリくらいである。
花冠は鐘状で先が5つに裂け、その先が更に細かく裂けている。
雄しべは5本で、真ん中に紅色の雌しべの柱頭が1本ある。
写真は7月に八幡平で撮った。
学名:Scizocodon soldanelloides form. leucantha


★ちりちりと裂けた花びら真っ白で
 はっと驚く清楚な姿


白花岩鏡(シロバナイワカガミ)

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占守鋸草(シュムシュノコギリソウ)

占守鋸草(シュムシュノコギリソウ)はキク科ノコギリソウ属の多年草である。
礼文島や利尻島など北海道の北部に分布し、山地の草原に生える。
海外では、カムチャツカ半島や千島列島にも分布する。
和名は千島列島の北東端にある占守島からきている。
分類上は、鋸草(ノコギリソウ)の亜種とされている。
蝦夷鋸草(エゾノコギリソウ)に似るが、本種のほうが葉の幅が狭く、また葉のつけ根は茎を抱かないなどの違いがある。
草丈は20センチから40センチくらいである。
葉は羽状に深い切れ込みがあり、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7月から8月くらいである。
花径は10ミリから15ミリくらいで、舌状花は8枚から12枚くらいである。
舌状花の色は淡い紅紫色から白に変わる。
筒状花の色は黄色から白に変わる。
総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)には長い毛が生える。
写真は7月に小石川植物園で撮った。
学名:Achillea alpina subsp. camtschatica


★北に咲く大きな花の鋸草
 深く切れ込み背丈は低く


占守鋸草(シュムシュノコギリソウ)

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