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色別・月別の花図鑑です
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オスマンツス・バークウッディ

オスマンツス・バークウッディはモクセイ科モクセイ属の常緑低木である。
昭和時代の初期にイギリスで育成された交雑種である。
デラバイ種(Osmanthus delavayi)とデコルス種(Osmanthus decorus)のかけあわせで生まれた。
園芸上はオスマリア(Osmarea)という異名が用いられている。
樹高は1~2メートルである。
葉は長さ2~6センチの卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の質は革質で艶があり、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~5月である。
葉の脇に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、香りのよい白い花を密につける。
花径は1センチくらいで、花冠は深く4つに裂けて横に開く。
生垣や寄植えに向いている。
属名の Osmanthus はギリシャ語の「osme(香り)+anthos(花)」からきている。
種小名の burkwoodii は園芸家「バークウッド(Burkwood)さんの」という意味である。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Osmanthus x burkwoodii(=Osmarea x burkwoodii)


★木犀と近い仲間の低木は
 春に花咲く香りを連れて


オスマンツス・バークウッディ

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八重咲き延齢草(ヤエザキエンレイソウ)

八重咲き延齢草(ヤエザキエンレイソウ)はユリ科エンレイソウ属の多年草である。
北アメリカ原産の大輪延齢草(タイリンエンレイソウ)の園芸品種である。
基本種は東部の五大湖地方を中心に東部一帯に広く分布し、林の中などに生える。
草丈は40センチくらいである。
葉は茎先に3枚が輪生する。
葉の形は幅の広い卵形である。
開花時期は4~6月くらいである。
基本種の場合は、緑色をした外花被片(萼片)と白い内花被片が3枚ずつある。
本種の場合は、内花被片が重弁花している。
属名の Trillium はラテン語の「treis(3)」からきている。葉など3つずつで構成されることから名づけられた。
種小名の grandiflorum は「大きな花の」という意味である。
品種名の Flora Plenum は「八重咲きの花」という意味である。
写真は5月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Trillium grandiflorum 'Flora Plenum'


★八重咲きの花はイメージがらり変え
 同じ仲間と思えぬ姿


八重咲き延齢草(ヤエザキエンレイソウ)

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花図鑑
羽衣ジャスミン(ハゴロモジャスミン)

羽衣ジャスミン(ハゴロモジャスミン)はモクセイ科ソケイ属の常緑蔓性低木である。
原産地は中国の雲南省である。
蔓の長さは1~3メートルくらいになる。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
小葉の先は尖る。
開花時期は4~6月である。
蔓を長く伸ばし、その先に30~40輪の花をまとめてつける。
蕾のときはピンク色をしているが、開いた花は白い。
花冠は筒状で、先が大きく5つに裂ける。
そして、強い香りがする。
蔓ジャスミン(ツルジャスミン)の別名がある。
属名の Jasminum はアラビア語の「ysmyn(マツリカ)」をラテン語化したものである。
種小名の polyanthum は「たくさん花の咲く」という意味である。
写真は4月に伊豆海洋公園で撮った。
学名:Jasminum polyanthum


★咲き出づるジャスミンの花色白く
 強い香りにむせ返りつつ


羽衣ジャスミン(ハゴロモジャスミン)

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花図鑑
旗竿(ハタザオ)

旗竿(ハタザオ)はアブラナ科ハタザオ属の越年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、日当たりのよい土手や草原、海岸の砂地などに生える。
海外では、北半球の冷帯、温帯に広く分布する。
草丈は40~80センチくらいである。
茎はほとんど枝分かれをせず、直立する。
高く伸びる茎に小さく目立たない葉がつく。
葉は披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉には毛はなく、葉の根元は矢じり形で茎を抱く。
根際から生える葉には星状毛(星のように放射状に生える毛)がある。
開花時期は4~6月である。
茎先総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな4弁花をつける。
花の後にできる実は長角果(アブラナなどの果実で細長いもの)である。
実は細長く上を向いてつき、鞘の中に種子が2列に並んでいる。
和名の由来は、花の姿を旗竿に見立てたものである。
属名の Arabis は国名の「Arabia(アラビア)」からきている。
種小名の glabra は「無毛の」という意味である。
写真は3月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Arabis glabra


★合戦の轟き消すか風の音
 旗竿揺れる野を彷徨えば


旗竿(ハタザオ)

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花図鑑
庭桜(ニワザクラ)

庭桜(ニワザクラ)はバラ科サクラ属の落葉低木である。
原産地は中国である。
日本へは古い時代に渡来した。
古名を「はねず」といい、万葉集にも詠まれている。
今は庭や公園になどに植えられている。
一重咲きの庭梅(ニワウメ:Prunus japonica)の近縁種で、八重咲きである。
樹高は100~150センチくらいである。
株立ち状となる。
葉は長い楕円形ないし披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4~5月である。
花の色は、淡い紅色のものと白いものがある。
花径は15~20ミリくらいである。
結実はしない。
属名の Prunus は「plum(スモモ)」を意味する。
種小名の glandulosa は「腺のある」という意味である。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus glandulosa


★小振りでも花はぎっしり庭桜
 梢を染めるピンク交じりに


庭桜(ニワザクラ)

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花図鑑
苦苺(ニガイチゴ)

苦苺(ニガイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉低木である。
本州から九州にかけて分布し、山地の林の中に生える。
海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。
樹高は1~2メートルくらいである。
よく枝分かれをし、枝には棘がたくさんある。
葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)があり、浅く3つに裂けることが多い。
葉の表面は緑色で、裏面は白みを帯びる。
開花時期は4~5月である。
葉の脇に花径2~3センチの白い花を1つか2つ上向きにつける。
花弁は5枚である。
花弁が細目で隙間が空いており、皺が多いのが特徴である。
萼片は5枚で、先が反り返る。
雄しべはたくさんある。
結実時期は6~7月である。
実はキイチゴ状果(集合核果)である。
赤く熟した実は甘いが、種には苦味がある。
それが名の由来でもある。
属名の Rubus はラテン語の「ruber(赤)」からきている。赤い実がなることから名づけられた。
種小名の microphyllus は「小さい葉の」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Rubus microphyllus


★名を聞いて興味が湧くよ苦苺
 どんな味かと思い巡らし


苦苺(ニガイチゴ)

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花図鑑
春雨草(ハルサメソウ)

春雨草(ハルサメソウ)はユキノシタ科ユキノシタ属の多年草である。
山野草として愛好されているが、これは流通名である。
英名をロンドンプライド(London pride)という17世紀以前に作出された園芸品種がこれに当たるようである。
学名はサキシフラガ・ウルビウム(Saxifraga x urbium)という。
ピレネー山脈原産のumbrosa種と西アイルランド原産のspathularis種とのハイブリッドである。
草丈は15~30センチくらいである。
根際から生える葉は円形ないしへら形で、マット状となる。
葉は多肉質で、クリーム色の斑が入るものがよく流通している。
開花時期は4~6月くらいである。
茎先に疎らな円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白い小さな花をつける。
花径は5ミリくらいで、花弁は5枚である。
雄しべは10本で、先につく葯は橙色である。
雌しべは明るいピンクで、先が2つに割れる。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Saxifraga はラテン語の「saxum(石)+frangere(砕く)」からきている。この属のある植物が尿の結石を溶かす作用があると考えられたことから名づけられた。
種小名の urbium は「町」という意味である。
品種名の Variegata は「斑入りの」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の「春の野草展」で撮った。
学名:Saxifraga x urbium 'Variegata'


★謎多き花の素性を追ってみる
 これは仮説と覚悟を決めて


春雨草(ハルサメソウ)

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花図鑑
八丈草苺(ハチジョウクサイチゴ)

八丈草苺(ハチジョウクサイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉小低木である。
関東地方南部、伊豆諸島、山口県、九州、小笠原諸島の父島などに分布し、海岸近くに生える。
和名の由来は、八丈島で発見されたことからきている。
かつては父島に分布するものは島三つ葉木苺(シマミツバキイチゴ:Rubus nishimuranus)と呼び、父島の固有種と見なされていたが、現在では同一種とされるようになった。
本種は梶苺(カジイチゴ)と草苺(クサイチゴ)との自然交雑種と考えられている。
梶苺(カジイチゴ)との違いは、枝に棘があることである。
樹高は30~40センチくらいである。
葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)である。
小葉の縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は3~5月くらいである。
枝先に白い5弁花を上向きにつける。
結実期は5~6月である。
花の後にできる実はキイチゴ状果(集合核果) である。
赤く熟した実は食べられるが、酸味がある。
属名の Rubus はラテン語の「ruber(赤)」からきている。赤い実がなることから名づけられた。
種小名の nishimuranus は小笠原植物の採集者「西村茂樹さんの」という意味である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Rubus x nishimuranus


★その由来聞けば納得するけれど
 わからぬことの多さを嘆き


八丈草苺(ハチジョウクサイチゴ)

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花図鑑
箱根白銀草(ハコネシロカネソウ)

箱根白銀草(ハコネシロカネソウ)はキンポウゲ科シロカネソウ属の多年草である。
日本固有種である。
本州の神奈川県から静岡県にかけて分布し、山地の林の中に生える。
フォッサマグナ要素植物の1つである。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は10~15センチくらいである。
茎や葉には毛は生えていない。
葉は5出複葉(1枚の葉が5つの小さな葉に分かれた形)で、向かい合って生える(対生)。
小葉の形は菱状の卵形である。
頂小葉には浅い切れ込みがあり、切れ込みには丸みがある。
開花時期は4~5月である。
茎先に花径1センチくらいの白い花を普通は1輪ずつつける。
5枚の花びらのように見えるのは萼片である。
5枚の黄色い小さな花弁は蜜腺状となっている。
雄しべは10本くらいある。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
白銀草(シロカネソウ)とよく似ているが、本種は萼片の形が倒卵形で丸みを帯びている。
属名の Dicliptera はギリシャ語の「dicho(2部分の)+karpos(果実)」からきている。
種小名の hakonense は「箱根の」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Dichocarpum hakonense


★少しだけ姿を変えて限られた
 土地にだけ咲く花は可憐で


箱根白銀草(ハコネシロカネソウ)

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花図鑑
天の梅(テンノウメ)

天の梅(テンノウメ)はバラ科テンノウメ属の常緑小低木である。
鹿児島県の南部から沖縄にかけてと小笠原諸島に分布し、海岸の石灰岩上に生える。
海外では、台湾、中国南部、ハワイにも分布する。
別名を磯山椒(イソザンショウ)ともいう。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
樹高は20センチくらいである。
地を這って1~3メートルくらいまで広がる。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は楕円形である。
葉には艶があり、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は4~5月である。
枝先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、白い小さな花を疎らにつける。
花径は1センチくらいで、花弁は5枚である。
花の後にできる実は小さな球形の偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)で、赤く熟する。
属名の Osteomeles はギリシャ語の「osteon(骨)+melon(リンゴ)」からきている。骨質の果実の様子から名づけられた。
種小名の anthyllidifolia は「(マメ科の)アンティリス属(Anthyllis)のような葉の」という意味である。
変種名の subrotunda は「やや円形の」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Osteomeles anthyllidifolia var. subrotunda


★やっとだよ出合い叶った天の梅
 その小ささに目を細め見る


天の梅(テンノウメ)

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