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色別・月別の花図鑑です
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雪柳(ユキヤナギ)

雪柳(ユキヤナギ)はバラ科シモツケ属の落葉低木である。
原産地は中国だが、日本でも古くから自生している。
樹高は100~150センチくらいになる。
開花時期は3~4月である。
株元から多数の枝を出し、白い小さな花がいっぱいに咲く。
その花の様子が雪のように見え、また枝や葉の形が柳のような形に見えることからこの名がつけられたという。
花が散ると地面に小米(砕いた米)をまいたようになるので小米柳(コゴメヤナギ)とも呼ばれる。
古来は、この花が岩のあるところを好んで生えるので、岩柳(イワヤナギ)と呼ばれていたという。
また、中国では「噴雪花」と呼ばれている。
なお、同じシモツケ属で花が団子状のものを小手鞠(コデマリ)という。
開花は雪柳(ユキヤナギ)よりも少し遅い。花の形はよく似ている。
俳句の季語は春である。
写真は4月に埼玉県三郷市で撮った。
学名:Spiraea thunbergii


★するすると枝を伸ばして雪柳
 真白の花びらまぶすが如く
☆遠くより真白の雲のあるごとく
 風に舞い散る雪柳見ゆ


雪柳(ユキヤナギ)

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一人静(ヒトリシズカ)

一人静(ヒトリシズカ)はセンリョウ科センリョウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の林の下や土手に生える。
草丈は10センチから30センチくらいである。
地下から伸びた茎は赤紫色をしている。
葉は楕円形で、上のほうに向かい合わせに2組合計4枚の葉が輪生する。
葉には光沢があり、縁には尖った鋸歯がある。
開花時期は4月である。
春先に白いブラシ状の花が柄の上につく。
ただし、花のように見えるのは雄しべで、花弁はない。
「静」とは静御前のことで、静御前が一人で舞っている姿を連想してつけられた名である。
「吉野静」という別名もあり、こちらのほうは吉野山で舞う静御前の姿を連想したものである。
俳句の季語は春である。
写真は4月に神代植物公園で撮った。
学名:Chloranthus japonicus


★楚々と咲く一人静に緑映え
 春風渡る午後は眩しく
☆ひっそりと一人静に朝露の
 煌く春の陽射し優しく


一人静(ヒトリシズカ)

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北辛夷(キタコブシ)

北辛夷(キタコブシ)はモクレン科モクレン属の落葉高木である。
辛夷(コブシ)の北方型で、北海道から本州の中北部にかけての日本海側に分布する。
樹高は15メートルくらいになる。
開花時期は3月から5月くらいである。
ただし、何年かおきに花をたくさんつける隔年開花の習性がある。
花径は10センチから12センチくらいあり、辛夷(コブシ)よりも大きい。
花弁は6枚で、淡い紅色を帯びる。
また、よい香りがする。
花の下に小さな葉が1枚つくのが特徴である。
花が終わってから出る葉は幅の広い倒卵形である。
実は握り拳のような形をしており、10月頃に割れて赤い種子が飛び出し、白い糸でぶら下がる。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Magnolia praecocissima var. borealis


★堂々と空に向かって北辛夷
 地上のことは君に任すと


北辛夷(キタコブシ)

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アメリカ八角蓮(アメリカハッカクレン)

アメリカ八角蓮(アメリカハッカクレン)はメギ科ミヤオソウ属の多年草である。
原産地は北アメリカである。
英名はメイアップル(may apple)という。
属名からきたポドフィルムの名でも流通している。
草丈は20~50センチくらいである。
根際から2~3枚の大きな葉が生える。
葉は手のひら状に深く切れ込む。
近縁種の八角蓮(ハッカクレン)の場合は切れ込みが浅い。
開花時期は4~5月である。
葉の下に隠れるように白い大きな花が咲く。
実は赤く熟して食用になる。
根茎はポドフィルム根と呼び下剤とされる。
また、抗癌薬も抽出される。
写真は4月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Podophyllum peltatum


★花びらは薄くて芥子を思わせる
 いわくありげな姿を見つめ


アメリカ八角蓮(アメリカハッカクレン)

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梨(ナシ)

梨(ナシ)はバラ科ナシ属の落葉高木である。
別名を和梨(ワナシ)ないし日本梨(ニホンナシ)ともいう。
原産地は中国である。
日本へは古い時代に渡来した。
日本書紀にも栽培の記述があるという。
なお、広義には中国梨(チュウゴクナシ)、日本梨(ニホンナシ)、洋梨(ヨウナシ)の3種類があり、「梨」は世界中で栽培されている。
その起源は中国梨(チュウゴクナシ)とされる。
樹高は10~20メートルくらいである。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には芒状(先が針のような)のぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4月くらいである。
葉の展開と同時に白い花を咲かせる。
花径は2~3センチで、花弁は5枚である。
結実するのは8~11月くらいである。
直径10~20センチくらいの実が黄褐色に熟する。
写真は4月に市川市万葉植物園で撮った。
学名:Pyrus pyrifolia var.culta


★大きくて鮮やかに咲く梨の花
 見栄えがするね木も大きくて


梨(ナシ)

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ミケリア・プラティペタラ

ミケリア・プラティペタラはモクレン科オガタマノキ属の常緑高木である。
中国の中部から南部にかけて分布し、標高1200から1500メートルの地域に生える。
中国名は「闊瓣白蘭花」という。
樹高は20から30メートルになる。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は薄い革質で、先は緩く尖る。
開花時期は3、4月である。
花の色は白く、強い香りがする。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Michelia platypetala


★くらくらと眩暈しそうな香りだよ
 埋もれるほどに花を咲かせて


ミケリア・プラティペタラ

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草苺(クサイチゴ)

草苺(クサイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉小低木である。
本州の岩手県から九州にかけて分布し、林の縁や草むらに生える。
「草」という字がつくが草ではない。
しかし、小低木と入っても樹高は20センチから60センチくらいである。
それに葉も草質なので、イメージとしては多年草に近い。
全体に毛深く、ところどころに棘がある。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、3枚から5枚の構成である。
小葉は卵形で先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は4、5月である。
花は白い5弁花で、雄しべと雌しべがたくさんある。
実が熟するのは5、6月で、食用となる。
俳句では「草苺の花」が春の季語、「草苺の実」が夏の季語である。
花の写真は写真は4月に神代植物公園で撮った。
実の写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Rubus hirsutus


★手を取りて苺を摘みに駆けて行く
 小さな恋のメロディー澄みて


草苺(クサイチゴ)

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八重の大島桜(ヤエノオオシマザクラ)

大島桜(オオシマザクラ)はバラ科サクラ属の落葉高木である。
伊豆諸島特産の桜なのでこの名がある。
八重の大島桜(ヤエノオオシマザクラ)は伊豆大島で自然にできたものである。
八重咲きであること以外は普通の大島桜(オオシマザクラ)と変わりがない。
樹高は5から15メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の両面や葉の柄には毛が生えない。
葉の縁には芒形(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)の重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。
開花時期は4月上旬から中旬である。
緑色の葉が花とほぼ同時に出るのが特徴である。
花径は3センチから5センチの大輪で、花の色は白い。
八重咲きで、花びらの数は16枚から20枚である。
花びらの形は楕円形である。
一総につく花の数は3、4輪である。
花の香りは弱い。
俳句の季語は春である。
写真は3月に小石川植物園で撮った。
学名:Prunus lannesiana var. speciosa cv. Plena


★少しだけ変わった風情どうかなと
 届ける花を八重に差し換え


八重の大島桜(ヤエノオオシマザクラ)

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プラム

プラム(plum)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。
原産地は南ヨーロッパや西アジアである。
プルーン(prune)という呼称も用いられる。
和名は西洋李(セイヨウスモモ)という。
主として乾燥果実が栽培される。
栽培種にはスタンリー(Stanley)やシュガープルーン(Sugar Prune)がある。
樹高は3メートルからメートルくらいである。
葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の長さは5センチから10センチくらいで、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の色は緑色で艶がある。
開花時期は3、4月である。
李(スモモ)と同じような白い5弁花で、長くて黄色い雄しべがたくさんある。
実は楕円形ないし球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、9月ころに暗い青色ないし黄色に熟する。
果肉は黄色くて硬く、甘酸っぱい。
乾燥プルーンとするほか、ジャムに加工したり生食とする。
なお、「造血作用がある」とか「便秘によい」などとも言われるが、科学的に有効とするデータはないという。
写真は3月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Prunus domestica


★小さくて髭をたくさん蓄えた
 プラムの花に笑みのこぼれて


プラム

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馬酔木(アセビ)

馬酔木(アセビ)はツツジ科アセビ属の常緑低木である。
日本原産で、古くは万葉集の中にも登場する。
枝葉に「アセボチン」という有毒成分を含んでいて、馬が食べると麻酔状態になるというので「馬酔木」と名づけられた。
しかし、実際には馬が食べることはないようである。
奈良公園の鹿も馬酔木は食べ残すという。
本州の東北地方から九州にかけて分布し、山野に生える。
また、庭木ともされる。
海外では、中国にも分布する。
樹高は2から4メートルくらいである。
葉は楕円形で、互生(互い違いに生える)。
葉の先は尖り、縁には浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の表面は濃い緑色で毛が生えている。
開花時期は2月から4月くらいである。
濃緑色の葉が茂る枝先に壺形の白い小花を総状にたくさんつける。
花冠の先は浅く5つに裂けている。
花の色は、緑や黄色みを帯びたものや桃色、赤などの園芸品種もある。
葉は殺虫剤として利用され、材は床柱などの細工物に使われる。
アシビ、アセボ、アセミなどの別名がある。
「馬酔木の花」は俳句の季語で春である。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Pieris japonica


★枝先に春の訪れ知らせんと
 響く鈴の音うららかにして
☆シャンシャンと鈴の音高く馬酔木咲く
 ここよここよと春呼び寄せて


馬酔木(アセビ)

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