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色別・月別の花図鑑です
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大虎杖(オオイタドリ)

大虎杖(オオイタドリ)はタデ科イタドリ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地帯や亜高山帯の日当たりのよい砂礫地に生える。
海外では、サハリンなどにも分布する。
草丈は1~3メートルくらいである。
茎はしばしば赤みを帯び、上部は毛が密生する。
葉も大きく、長さは20~30くらいある細長い卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根は少し丸い心形で、先は少し尖る。
裏面は粉をふいたように白っぽい。
近縁種の虎杖(イタドリ)のほうは薄い黄緑色で、白くはない。
開花時期は7~9月である。
雌雄異株である。
茎先や上部の葉の脇から円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、たくさんの花をつける。
雄花は上向きにつき、雌花は垂れ下がる。
花被は白く、5つに裂ける。
雄花の雄しべは8本である。
雌花の花披は花の後に大きくなる。
若い茎は食用になる。
俳句では、「虎杖」が春の季語、「虎杖の花」が夏の季語である。
写真は8月に岩手県八幡平市の藤七温泉で撮った。
学名:Reynoutria sachalinensis(=Polygonum sachalinense)


★背丈より高い葉っぱのその上に
 大虎杖は花を咲かせて


大虎杖(オオイタドリ)

花図鑑
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胡麻菜(ゴマナ)


胡麻菜(ゴマナ)はキク科シオン属の多年草である。
本州に分布し、日当たりのよい山地の草原などに自生する。
地下に太い地下茎があり、直立する茎を出して群生する。
草丈は100~150センチくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
茎や葉には細かい毛があってざらつく。
開花時期は8~10月である。
茎先でたくさん枝分かれをして、白い菊(キク)に似た小さな花(頭花)をつける。
花径は15ミリくらいで、真ん中の筒状花は黄色く、周りの舌状花は白い。
名の由来は、葉が胡麻(ゴマ)に似ていて、食べられる草であるというところからきている。
なお、北海道や東北北部には大型の蝦夷胡麻菜(エゾゴマナ)が分布する。
写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Aster glehnii var. hondoensis


★秋の野を胡麻菜の花が埋め尽くす
 静かな景色じっと眺めて



胡麻菜(ゴマナ)


花図鑑
蝦夷胡麻菜(エゾゴマナ)


蝦夷胡麻菜(エゾゴマナ)はキク科シオン属の多年草である。
北方領土を含む北海道から東北地方の北部にかけて分布し、草地や林の縁などに生える。
海外では、サハリンにも分布する。
分類上は、本州に分布する胡麻菜(ゴマナ)の基本種とされている。
違いは、本種のほうがやや大きく、短い毛が多く生えることである。
草丈は100~170センチくらいである。
茎は直立をし、上部で少し枝分かれをする。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の両面には細かい毛がたくさん生えており、裏面には腺点(蜜を出す孔)がある。
上部へいくほど葉は小さくなり、先では線形となる。
開花時期は8~10月くらいである。
茎先で細かく枝分かれをし、先に花径15ミリくらいの白い花(頭花)をつける。
頭花は真ん中にある黄色い筒状花とその周りを囲んだ白い舌状花からなる。
和名の由来は、芽生えの様子が「胡麻」に似ていることからきている。
写真は9月に北大植物園で撮った。
学名:Aster glehnii


★端麗と言うには少しはばかるが
 賑わい見せて蝦夷胡麻菜咲く



蝦夷胡麻菜(エゾゴマナ)


花図鑑
虎杖(イタドリ)


虎杖(イタドリ)はタデ科イタドリ属の多年草である。
日本各地に分布し、道端や荒地などに自える。
茎は太く中空で、春に出始めた茎は生食したり漬け物にしたりする。
若い茎はかじると酸っぱいので「スカンポ」とも呼ばれる。
草丈は150~200センチくらいになる。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根の部分は水平である。
近縁種の大虎杖(オオイタドリ)は心形なので、ここで見分ける。
茎には節ごとに赤い斑紋が入る。
この茎に入る模様を虎の縞模様に見立てたのが「虎杖」の文字を充てた由来である。
開花時期は8~10月である。
雌雄異株である。
白い小花を穂状にたくさんつける。
雄花は漏斗形で先が5つに裂け、花粉が見える。
雌花は先が5つに裂け、中に3本の花柱(雌しべ)が見える。
雌花の後には、3つの稜がある長いハート形の実ができる。
名の由来は、疼(いた)みを取り去る効果があるので「疼取」と名づけられたとされる。
根茎は生薬で虎杖根(こじょうこん)といい、利尿、通経剤として用いられる。
俳句では、「虎杖」が春の季語、「虎杖の花」が夏の季語である。
写真は9月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Reynoutria japonica


★前触れの風花ふわり舞うごとく
 北の川原に虎杖の咲き
☆虎杖は痛み取りたる効用の
 あるを思えど可愛い花よ



虎杖(イタドリ)


花図鑑
紀伊仙人草(キイセンニンソウ)


紀伊仙人草(キイセンニンソウ)はキンポウゲ科センニンソウ属の蔓性多年草である。
紀伊半島南部(和歌山県、三重県、奈良県)と熊本県に分布し、山地の林の中や低木林に生える。
伸びた蔓は10~15メートルに達する。
葉は細長い楕円形で艶がある。
仙人草(センニンソウ)の葉は卵形なので、葉の形が違っている。
花径は1センチくらいである。
4枚の白い萼にたくさんの雄しべと数本の雌しべがある。
花弁はなく、花びらのように見えるのは萼片である。
写真は9月につくば植物園で撮った。
学名:Clematis uncinata var. ovatifolia(=Clematis ovatifolia)


★青空に花の白さも際立って
 神秘伝える紀伊仙人草



紀伊仙人草(キイセンニンソウ)


花図鑑
沢白菊(サワシロギク)


沢白菊(サワシロギク)はキク科シオン属の多年草である。
本州から九州にかけて分布し、日当たりの良い湿地に生える。
草丈は30~60センチくらいである。
葉は細長い披針形で、互い違いに生える(互生)。
縁にはぎざぎざ(鋸歯)がわずかにある。
開花時期は8~10月である。
舌状花ははじめは白く、後に淡い紅色を帯びる。
花径は3センチくらいで、舌状花に囲まれて真ん中に黄色い筒状花が見られる。
写真は9月につくば植物園で撮った。
学名:Aster rugulosus


★さわさわと風に揺られる花姿
 沢白菊はどこか切なく



沢白菊(サワシロギク)


花図鑑
梅鉢草(ウメバチソウ)


梅鉢草(ウメバチソウ)はユキノシタ科ウメバチソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地帯の湿原などに生える。
海外では、台湾、東アジア北部、サハリンなどにも分布する。
草丈は10~40センチくらいになる。
根際から生える葉はロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)である。
茎につく葉はハート形または円形で茎を抱く。
開花時期は8~10月である。
茎先に白い5弁花を上向きに1個つける。
花弁には緑色の脈が目立つ。
花の中央に雄しべが5本ある。
雄しべは1日に1本だけ立ち上がって花粉を出す。
雄しべの隣に細かく分裂した仮雄しべがある。
仮雄しべは花粉を出さない。
また、真ん中に白い帽子のような形の雌しべがある。
名の由来は、花の様子を家紋の「梅鉢」に見立てたものである。
写真は8月に志賀高原のせせらぎ遊歩道で撮った。
学名:Parnassia palustris


★華麗なる姿を見せて花つける
 梅鉢草は胸張るように



梅鉢草(ウメバチソウ)


花図鑑
箆沢瀉(ヘラオモダカ)


箆沢瀉(ヘラオモダカ)はオモダカ科サジオモダカ属の多年草である。
漢字では「箆面高」とも書く。
北海道から沖縄にかけて分布し、湖沼、池、川、水田などの浅いところに生える抽水植物(根が水底の土中にあって、茎や葉が水面から上に伸びている水生植物のこと)である。
海外では、朝鮮半島、中国、東南アジアなどにも分布する。
草丈は40~130センチくらいである。
葉は披針形で、つけ根の部分が次第に細くなって葉柄に続くへら形をしている。
長さは10~30センチくらいで濃い緑色をしており、艶はない。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。
開花時期は7~10月である。
葉の脇から長い花茎を立て、節で3本に枝分かれすることを繰り返して、茎先に白い3弁花をつける。
写真は9月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Alisma canaliculatum


★小さくてとても可愛い三弁の
 花と緑の葉が調和して



箆沢瀉(ヘラオモダカ)


花図鑑
鏡蓋(ガガブタ)


鏡蓋(ガガブタ)はミツガシワ科アサザ属の多年草である。
本州から沖縄にかけて分布し、低地の池や沼に生える。
海外では、中国、台湾、東南アジア、オーストラリアなどにも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
葉の形は円心形で、睡蓮(スイレン)に似ている。
開花時期は6~9月である。
花の色は白く、花冠は星形に5つに深く裂ける。
花径は15ミリくらいである。
花冠の中心部は黄色く、裂片の表面には白毛が生える。
このような花の色から金銀蓮花(キンギンレンカ)という別名がある。
和名の由来は、葉の形を鏡の蓋に譬えて「鏡蓋」と呼んでいたものが転嫁したという。
英名はウォーター・スノーフレーク(water snowflake)である。
写真は9月に氷見市海浜植物園で撮った。
学名:Nymphoides indica


★星形の白い小花がぽっかりと
 水に浮かんでゆらりゆらゆら



鏡蓋(ガガブタ)


花図鑑
白花蔓荊(シロバナハマゴウ)


蔓荊(ハマゴウ)はクマツヅラ科ハマゴウ属の落葉低木である。
漢字では「浜香」「浜栲」とも書く。
本州の東北地方南部から九州にかけて分布し、海岸の砂地に生える。
海外では、朝鮮半島、中国、東南アジアなどにも分布する。
稀に白花のものがあり、白花蔓荊(シロバナハマゴウ)と呼んでいる。
茎は砂上を這い、樹高は50~100センチくらいになる。
株全体に香気がある。
葉は灰緑色をした楕円形で波打っており、向かい合って生える(対生)。
葉の裏面は白い軟毛に覆われている。
開花時期は7~9月である。
枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白い唇形の花をたくさんつける。
花径は10~15ミリくらいである。
花冠は上下2つの唇に分かれる。
上の唇は2つに裂ける。
下の唇は3つに裂け、真ん中の裂片は両側の裂片の5倍くらいある。
秋になると球形で硬い実が淡い黒色に熟する。
実はコルク質で、海流に運ばれて広がる。
写真は9月に氷見市海浜植物園で撮った。
学名:Vitex rotundifolia form. albescens


★花の色変われば姿も違い見え
 気づくも遅し蔓荊の花



白花蔓荊(シロバナハマゴウ)


花図鑑
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