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色別・月別の花図鑑です
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大瓢箪木(オオヒョウタンボク)

大瓢箪木(オオヒョウタンボク)はスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木である。
日本固有種である。
本州の関東地方北部から中部地方にかけて分布し、亜高山や高山に生える。
樹高は1~2メートルである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は7~8月である。
枝先の葉の脇から長い柄を出し、長さ15~20ミリくらいの白い花を2つ並べてつける。
花冠は唇形で、つけ根の部分は膨らむ。
上の唇は浅く4つに裂け、下の唇は線形で垂れ下がる。
花の後にできる実は球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、赤く熟する。
実は2つが合着して「瓢箪」のように見える。
属名の Lonicera はドイツの採集家「ロニツァー(A. Lonitzer)さん」の名からきている。
種小名の tschonoskyi は植物収集家「須川長之助さんの」という意味である。
写真は7月に中央アルプスの千畳敷カールで撮った。
学名:Lonicera tschonoskii


★面白い花の形も不思議だが
 二つくっつく実は何でなの


大瓢箪木(オオヒョウタンボク)

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蝦夷御前橘 (エゾゴゼンタチバナ)

蝦夷御前橘 (エゾゴゼンタチバナ)はミズキ科ゴゼンタチバナ属の多年草である。
北海道の大雪山系や釧路地方、根室地方に分布し、原野や湿原に生える。
海外では、ユーラシア大陸北部や北アメリカにも分布している。
氷河期時代からの遺存植物の1つである。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
草丈は5~30センチくらいである。
茎や葉の表面には短い毛がまばらにある。
地下茎を伸ばして広がる。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
近縁種の御前橘 (ゴゼンタチバナ)は一箇所に向かい合って生える(対生)。
開花時期は6~7月である。
花茎を伸ばし、小さな花が10~20個集まった黒紫色の花をつける。
白い花びらのように見えるのは萼である。
花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、真っ赤に熟し、食用にもなる。
なお、御前橘 (ゴゼンタチバナ)の名の由来は、白山の御前峰で最初に発見され、果実の形が唐橘(カラタチバナ)に似ていることからきている。
属名の Chamaepericlymenum はギリシャ語の「chamai(小さい)+旧属名(Periclymenum)」からきている。
種小名の crepidioides は「crepidioides(フタマタタンポポ属)+oides(のような)」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Chamaepericlymenum suecicum


★ひっそりと咲くのが好きと蝦夷の地で
 湿原の中命をつなぎ


蝦夷御前橘 (エゾゴゼンタチバナ)

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夜衾草(ヨブスマソウ)

夜衾草(ヨブスマソウ)はキク科コウモリソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から本州の関東地方にかけて分布し、低地や山地、亜高山のやや湿った林の中や原野に生える。
海外では、朝鮮半島、中国、サハリン、カムチャツカにも分布する。
「夜衾」というのは寝具のことで、コウモリやムササビを指す方言としても使われる。
草丈は100~250センチくらいあり大形である。
茎の内部は中空である。
葉は三角状ほこ形で、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄には広い翼がある。
開花時期は7~10月である。
茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、筒状花からなる頭花をたくさんつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
若い茎や葉は、「ボウナ」や「ボンナ」と呼ばれ、山菜として利用される。
お浸し、和え物、天ぷらなどにする。
属名の Cacalia はギリシャ語由来の言葉だが、意味ははっきりしていない。
種小名の hastata は植物学者「鉾形の」という意味である。
種小名の orientalis は「東方の」という意味である。
写真は8月に弟子屈町の摩周岳登山口で撮った。
学名:Cacalia hastata subsp. orientalis


★夜衾はコウモリなるかムササビか
 濡れた褥もまた乙なりと


夜衾草(ヨブスマソウ)

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樺太細葉繁縷(カラフトホソバハコベ)

樺太細葉繁縷(カラフトホソバハコベ)はナデシコ科ハコベ属の多年草である。
原産地はユーラシア大陸である。
日本では、北海道で広く野生化し、道端や河川敷、空き地などに生える。
本州でも、青森県、福島県、埼玉県、新潟県などで野生化している。
草丈は20センチから50センチくらいである。
根際からよく枝分かれをする。
茎には4稜がある。
葉は線形で、疎らに向かい合って生える(対生)。
開花時期は6月から8月である。
花径1センチくらいの白い5弁花を疎らにつける。
花弁の先は深く切れ込んでいるので10弁のように見える。
萼片には3脈があり、先が尖る。
雄しべは10本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Stellaria はラテン語の「stella(星)」にちなむ。花の形が星形をしていることから名づけられた。
種小名の graminea は「イネ科植物のような」という意味である。
写真は7月に北海道の弟子屈町で撮った。
学名:Stellaria graminea


★繁縷でも花はとっても大きいよ
 ワクワク過ごす昼のひと時


樺太細葉繁縷(カラフトホソバハコベ)

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蝦夷千鳥(エゾチドリ)

蝦夷千鳥(エゾチドリ)はラン科ツレサギソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道に分布し、海岸近くの草地、山地から亜高山の草地に生える。
海外では、サハリンにも分布する。
別名を双葉連鷺草(フタバツレサギソウ)という。
草丈は20センチから50センチくらいである。
茎の下部には長い楕円形2枚の葉が対生状につく。
茎の上部につく葉は披針形(笹の葉のような形)で次第に小さくなる。
開花時期は7月から8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径2センチくらいの花をたくさんつける。
花の色は白ないし緑白色である。
背萼片と側花弁は上に立ち、白くて幅の広の側萼片が横に開く。
唇弁は長い舌状で垂れ下がる。
距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)は後方に伸びる。
属名の Platanthera はギリシャ語の「platys(広い)+anthera(葯)」からきている。基本種では葯の間隔が広いことから名づけられた。
種小名の metabifolia は「ビフォリア種(Platanthera bifolia)とは異なる」という意味である。
写真は8月に旭山動物園で撮った。
学名:Platanthera metabifolia


★気になって係の方に尋ねたよ
 固有種だった訊いてよかった


蝦夷千鳥(エゾチドリ)

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白耳菜草(シロミミナグサ)

白耳菜草(シロミミナグサ)はナデシコ科ミミナグサ属の多年草である。
原産地はヨーロッパから西アジアにかけてである。
日本へは明治時代の中期に渡来した。
英名はスノーインサマー(snow in summer)である。
そこから夏雪草(ナツユキソウ)とも呼ばれている。
草丈は15~20センチくらいである。
茎も葉も白い毛で覆われている。
茎は地を這って横に広がる。
葉は披針形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は4~7月である。
茎先に花径2センチくらいの白い花をつける。
花弁は5枚である。
花弁の先はへこんでおり、つけ根のほうは黄緑色になる。
雄しべは10本である。
雌しべの花柱は5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Cerastium はギリシャ語の「cerastes(つの状の)」からきている。細長くて曲がったさく果の形から名づけられた。
種小名の tomentosum は「密に細かな綿毛のある」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Cerastium tomentosum


★葉も茎も白い綿毛に覆われて
 涼を呼ぶやら白耳菜草


白耳菜草(シロミミナグサ)

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ヒビスクス・ヒルツス

ヒビスクス・ヒルツスはアオイ科フヨウ属の常緑低木である。
原産地はインド、マレーシアである。
樹高は1~4メートルくらいである。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は周年である。
花径3~5センチくらいの白い5弁花をつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Hibiscus はギリシャ語由来で「Hibis(エジプトの女神)」の名からきているとの説があり、大形のゼニアオイ属につけられた名である。
種小名の hirtus は「短い剛毛のある」という意味である。
写真は11月に沖縄県本部町の熱帯ドリームセンターで撮った。
学名:Hibiscus hirtus


★真っ白でこじんまり咲くヒルツスは
 涼しげだけど熱帯育ち


ヒビスクス・ヒルツス

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オランダ海芋(オランダカイウ)

オランダ海芋(オランダカイウ)はサトイモ科オランダカイウ属の多年草である。
別名をカラー(Calla)ともいう。
これは以前の分類の名残である。
また、単に海芋(カイウ)としても流通している。
原産地は南アフリカである。
日本へは江戸時代に渡来した。
「海芋」は「海外の芋」といった意味合いである。
国交のあったオランダから伝わったのが和名の由来である。
現在では逸出したものが本州から沖縄にかけて野生化し、湿地に生える。
草丈は30~70センチくらいである。
葉は大形の矢尻形で、長い柄がある。
葉は肉厚で艶があり、少し巻いている。
開花時期は3~7月である。
花のように見える白い部分は、サトイモ科特有の「仏炎苞」という部分である。
漏斗状に巻いている。
真ん中にある直立した黄色い部分が、小花の密生する肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)である。
湿地を好む栽培植物で、花壇や切り花で見かける。
黄色や桃色のものもあるが、中には品種が異なって畑地性のものもある。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
俳句では「海芋」が夏の季語である。
なお、花の色が桃色や黄色のものもある。
これらは同じオランダカイウ属だが種が異なる。
属名の Zantedeschia は17世紀イタリアの植物学者「ザンテデスキ(G. Zantedeschi)さん」の名からきている。
種小名の aethiopica は「エチオピアの」という意味である。
写真は5月に鎌倉の長谷寺で撮った。
学名:Zantedeschia aethiopica


★ミラクルな仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれて
 カラー囁く内緒話を


オランダ海芋(オランダカイウ)

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姫綿萓(ヒメワタスゲ)

姫綿萓(ヒメワタスゲ)はカヤツリグサ科ホタルイ属の多年草である。
北方領土を含む北海道と青森県の八甲田山に分布し、寒地の湿原に生える。
海外では、北半球の冷帯から寒帯地域に広く分布する。
環境省のレッドデータリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
草丈は10~20センチくらいである。
細い茎が密に並んで直立する。
茎につく葉は鞘状で葉身はほとんどない。
開花時期は6~8月である。
長さ5~8ミリの小穂を茎先に1つつける。
黄褐色の鱗片が数個あり、棘針のような花被片が6枚ある。
花の後にできる実は3稜形の小堅果で、真っ白な綿毛が疎らにつく。
園芸店で綿萓(ワタスゲ)の名で出回っているものは姫綿萓(ヒメワタスゲ)が多いという。
属名の Scirpus はイグサかそれに似た植物のラテン名を転用したものである。
種小名の hudsonianus は「(アメリカ合衆国の)ハドソン(Hudson)川の」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Scirpus hudsonianus


★綿棒がゆらゆら風に揺れるよう
 姫綿菅ののどかな姿


姫綿萓(ヒメワタスゲ)

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梅花藻(バイカモ)

梅花藻(バイカモ)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草である。
日本固有種である。
キンポウゲ属から分離させてバイカモ属とする説もある。
北海道から本州にかけて分布し、清流に生える。
水温14℃前後の清流にしか育たず、生育場所が限られている。
茎は長さが1~2メートルになり、節から白い根を出す。
葉は互い違いに生え(互生)、3~4回裂けて裂片は糸状になり、全体は房状になる。
開花時期は6~9月である。
葉の脇から花茎を出し、花びらが5枚ある白い梅(ウメ)に似た花を水面上に咲かせる。
流れの速いところでは水中で開花する。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
別名を梅鉢藻(ウメバチモ)ともいう。
葉と茎の先の柔らかい部分は食用になる。
属名の Ranunculus はラテン語の「rana(蛙)」からきている。この属の水生の種が蛙の棲むような所に生えることから名づけられた。
種小名の nipponicus は「日本の」という意味である。
変種名の submersus は「水中の」という意味である。
写真は9月に上高地で撮った。
学名:ranunculus nipponicus var. submersus


★清流に浮かぶ可憐な花姿
 梅花藻の咲く流れは緑


梅花藻(バイカモ)

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