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蟹蝙蝠(カニコウモリ)はキク科コウモリソウ属の多年草である。
本州の中部地方から近畿地方にかけてと四国に分布し、山地や亜高山の林の中や林の縁に生える。
和名の由来は、コウモリソウの仲間で葉の形が蟹の甲羅に似ることからきている。
草丈は50~100センチくらいである。
葉は普通は3枚で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尾状に短く尖り、つけ根の部分は心形である。
葉の縁には不揃いなぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~9月である。
茎先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白い筒状の花(頭花)をつける。
花は横向きにつき、先は5つに裂けて反り返る。
萼に相当する総苞片(花序全体を包む葉の変形したもの)は3枚で、雄しべが長く突き出る。
花の後にできる実は線形のそう果(1つの種子しかなく開かないもの)である。
属名の Cacalia はギリシャ語由来の言葉だが、意味ははっきりしていない。
種小名の adenostyloides は「(ラン科の)アデノスティリス属(Adenostylis)に似た」という意味である。
写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。
学名:Cacalia adenostyloides
★草原の薄暗がりに目をやれば
蟹蝙蝠の朧な姿
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